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新しい喜び

説教要旨(11月16日合同礼拝より)
ルカによる福音書 5:33-39
牧師 藤盛勇紀

 ある人々がイエス様にこんなことを言いました。「ヨハネの弟子たちはいつも断食して祈っている。ファリサイ派の弟子たちも同じだ。なのに、あなたの弟子たちは飲んだり食べたりしている」。
 今日の箇所の直前に記されているのですが、イエス様はレビという徴税人を弟子になさいました。レビは大喜びでイエス様や自分の仲間を招いて盛大に宴会をしたのですが、それを眉をひそめて見ていた人々がいました。信心深く真面目なファリサイ派の人たちや律法学者たちです。
 真面目なファリサイ派の人々は腹立たしく思い、弟子たちを問い詰めます。しかし、イエス様は言われました、「医者を必要とするのは、健康な人ではなく病人である。わたしが来たのは、正しい人を招くためではなく、罪人を招いて悔い改めさせるためである」。
 「悔い改め」というのは、神様に立ち帰ることです。今まで「神なんか知らない、神様なんか要らない」と、神に背を向け、離れていたけども、本当は私には神が必要なんだと気づいて、そして、こんな私を神は愛してくださっていると知ることです。
 悔い改めは、神を無視していた自分の罪を知って心痛めることも含まれますが、もっと大事なことは、なのにこの私は今は神様に赦され、愛され、生かされ、用いられると知ることです。だから、悔い改めた人は喜び、感謝するのです。
 イエス様が「悔い改めさせる」と言われたので、ファリサイ派の人たちは、「それなら、なんであんたたちは、そんな楽しそうにしているのか」と思うわけです。「悔い改めると言うなら、洗礼者ヨハネと弟子たちがしたように苦しい断食をして、ボロでも身にまとって真剣に祈るはずじゃないか。あんたらのように飲み食いして楽しむのはおかしいんじゃないか」と。
 そういう真面目なファリサイ派の人たちは実際、数日おきに断食していたのですから大変なものです。しかもそれは彼らなりの「悔い改め」だったのです。イスラエルの罪を思い、断食して自分を打ちたたくように苦しめながら悲しみを表します。いかにも真剣で真面目な信仰者に見えます。
 ところが、イエス様と弟子たちといえば、罪人や悪人の代表のような徴税人の家で宴会をしている。大いに飲んで食べて、楽しそうにしている。「悔い改めたはずの罪人が、いったい何なんだ」と思われるのも当然かもしれません。せめてその日くらいは謹慎したらどうなのかと。
 イエス様はこう言われました。「花婿が一緒にいるのに、婚礼の客に断食させることがあなたがたにできようか」。花婿というのはイエス様ご自身です。「私がここにいる。私が今ここにいるなら、あなたたちは喜んでよいのだ」。そうおっしゃるのです。もしイエス様がここにいてくださるなら、悲しんでいられますか。イエス様が「私に従ってきなさい」と、私たちを招いて、生かしてくださる。このお方がおられるのに、「ああ、私は主に従えない罪人だ」とうなだれて、ふさぎ込んで、下を向いている、などということがあるでしょうか。それこそおかしなことです。
 イエス様は、新しい布切れと古い服のたとえや、新しいぶどう酒と古い革袋のたとえも用いて、お話されました。イエス様がここにおられるなら、そしてこの私たちを召してくださっているなら、ここでもう、決定的に「新しい」ことが始まっているのです。神様の救いの御業が始まっているということです。だから、今までの考え方や生き方に捕らわれるのでなく、主が私を召して下さっているのだから、「主よ、ありがとうございます」と、喜んで主に従って生きるのです。それが、「悔い改めた」人生、新しい喜びに生きる生活です。
 

説教一覧(2014年度)

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2014.6.22
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2014.6.29
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2014.7.6
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2014.7.13
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2014.7.20
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2014.7.27
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2014.8.3
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2014.8.10
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2014.8.17
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2014.824
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2014.8.31
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2014.9.7
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2015.3.22
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