主キリストは復活された
説教要旨( 4月12日 朝礼拝 ・イースター礼拝)
イザヤ書 第25章 6~10節
コリントの信徒への手紙一 第15章20~28節
倉橋康夫
本日のロマ書の最初で、<しかし、実際、キリストは死者の中から復活し、眠りについた人たちの初穂となられました。>と、パウロは高らかに宣言しています。「しかし今や、キリストは、死人の中から起き上がらされた。」(直訳) と言うのです。この主キリストとは、私たちの罪を負って死なれた方、死ななければならなかった方です。その方が復活させられた。それは、人間の罪を引き受け、清算するという使命が完了した証しです。使命の完了は「初穂としての復活」という形で顕された、と言うのです。いわば、罪のための人間の死を引き受けられた主キリストは、人間の復活の初穂となって下さったのです。
ところで、私たちは、依然として、死の力に翻弄され、不安や恐れを感じさせられます。しかしパウロは、主キリストの再臨・<キリストが来られるとき>(23節)、<世の終り>(24節)となり、そして、最後の敵としての死の滅び(26節)が来る、と言います。主イエス・キリストが、初穂として復活されたこの時、今や私たちは「死の滅び」・「死が滅ぼされる日の到来」を待っている、と言うことがでるのです。
死は、<最後の敵>、と言われていますが、誰にとっての敵なのでしょうか。言うまでもなく、私たち人間にとって、恐るべき敵です。この敵を、最終的に滅ぼし尽くして下さる。言わば、主キリストの復活は、死に対する実質的な勝利宣言であるが、その勝利が証明されるのは、<キリストに属している人たち>(23節)が、復活する時なのです。このように、主キリストを信じる者にとって、最後の敵である死が滅ぼされる時は、喜ばしい自らの復活の時を意味します。
併せて読んだ、イザヤ書 第25章に、最後の敵である「死」が滅ぼされる、との預言が記されています。<7主はこの山で/すべての民の顔を包んでいた布と/すべての国を覆っていた布を滅ぼし/8死を永久に滅ぼしてくださる。/主なる神は、すべての顔から涙をぬぐい/御自分の民の恥を/地上からぬぐい去ってくださる。/これは主が語られたことである。9その日には、人は言う。/見よ、この方こそわたしたちの神。/わたしたちは待ち望んでいた。・・・・・>、と。<この山>とは、主なる神が礼拝される場を意味します。<布を滅ぼし>とは、覆いが除かれることであり、神の救いのみ業が明らかにされることです。それが、<死を永久に滅ぼし>、主の民の恥が拭い去られる、ということだと言うのです。
そして更に、死が「敵」と呼ばれるのは、神ご自身にとってでもあります。ロマ書 第6章23節に、<罪が支払う報酬は死です。>、とあります。つまり、死は、罪の結果と捉えられています。死は、神と人間との間の断絶を意味するのです。それは、人間をお造りになった神のみ心に反する事態です。それ故に、神が死を打ち滅ぼされるということは、神と人間との関係が回復することを意味する、と言えるでしょう。このように、「主キリストの復活」が、神の恵みであり、希望であるのは、私たちが神との関係に生きることができるようにされるからです。
<神がすべてにおいてすべてとなられるため>(28節b)、とあります。神が全てであり、神のみが褒め称えられる。私たち人間にとって、神を神とし、神を褒め称えることにこそ、喜びと幸せのあることを思い起こすべきです。私たちの復活も、そのために与えられるのです。このように、主キリストの復活は、私たち信じる者を、罪と死の力から取り戻し、神との交わりの生活に入れてくれるものなのです。主キリストの十字架の死と復活によって、私たちは既に、不十分ながら、神との交わりの生活の喜びを僅かに味わうことが許されています。そして同時に、私たち自身の復活の時、救いの完成の日を望み見て、信仰の歩みを続けています。 「主キリストは復活された」! 神のみ名を讃美しつつ、心から喜び、祝いましょう。
説教一覧(2009年度)
2009.04.05
聖霊の執り成し
2009.04.12
主キリストは復活された
2009.04.19
わたしは知っている
2009.04.26
万事が益となる
2009.05.03
栄光への歩み
2009.05.10
渇いている人
2009.05.17
神が味方
2009.05.24
神の愛に結ばれて
2009.05.31
聖霊を受けた人々
2009.06.07
輝かしい勝利
2009.06.14
もう罪を犯してはならない
2009.06.21
永遠の命を受ける
2009.06.28
あなたの手に渡す
2009.07.05
わたしの確信
2009.07.12
わたしに従う者
2009.07.19
悲しみと痛みの中から
2009.07.26
神の言葉は貫かれる
2009.08.02
神の憐れみによって
2009.08.09
真実なる裁き
2009.08.16
我々はその時
2009.08.23
神に造られた器
2009.08.30
信仰による義
2009.09.06
神の義によって
2009.09.13
あなたたちは自由になる
2009.09.20
心で信じて、口で言い表し
2009.09.27
誇りは増し加わる
2009.10.04
信仰は聞くことから
2009.10.11
神の言葉を聞く者
2009.10.18
神はその民を見捨てられない
2009.10.25
人々の先頭に立って渡る
2009.11.01
勝利を賜る神
2009.11.08
決して死なない
2009.11.15
真実の言葉を話す
2009.11.22
躓きから救いへ
2009.11.29
聞かれない祈り
2009.12.06
神のご計画への信頼
2009.12.13
神の業が現れる(文書なし)
2009.12.20
神の愛が現れた
2010.01.03
神の秘められた計画
2010.01.10
あの人をどう思うか
2010.01.17
今日も生きている
2010.01.24
栄光が神に永遠に
2010.01.31
神の憐れみによる勧め
2010.02.07
なすべき礼拝
2010.02.14
正直に答えなさい
2010.02.21
心を新たにし
2010.02.28
己れを知る
2010.03.07
一つの体の部分として
2010.03.14
わたしに従いなさい
2010.03.21
賜物を生かす
2010.03.28
勇気をもって雄々しく