ホーム | 説教 | 説教(2018年度) | 絶えず祈れ

絶えず祈れ

説教要旨(12月9日 朝礼拝より)
エフェソの信徒への手紙 6:18-20
牧師 藤盛勇紀

 パウロの最後の勧めの箇所を引き続き読んでいます。「最後に言う、主に依り頼み、その偉大な力によって強くなりなさい。悪魔の策略に対抗して立つことができるように、神の武具を身に着けなさい」。真理の帯、義の胸当て、福音を告げる準備の履物、信仰の盾、その上に救いの兜。そして、霊の剣すなわち神の言葉を取れ、というのです。
 すべて神が与えて下さるものによる完全武装です。霊的な戦いの最大の武器は、神の言葉。「神の言葉は生きており、力を発揮し…」」(ヘブライ4:12)。この「神の言葉」を取って完全武装は成りましたが、「戦い方」というものがあります。
 ある時イエス様は弟子たちに、「この種のものは、祈りによらなければ決して追い出すことはできない」と言われました。「この種のもの」とは、汚れた霊であり、パウロがここで言う「悪の諸霊」です。人間の知性や経験に基づく措置ではどうにもなりません。「血肉」の問題ではないからです。
 「どのような時にも、“霊”に助けられて祈り、願い求め、すべての聖なる者たちのために(この世の諸霊に支配されて生きるのでなく、神のものとして生きる者のために、そういう者として)、絶えず目を覚まして根気よく祈り続けなさい」とありますし、聖書は、「たゆまず」「常に」「何事につけ」祈れと、何度も繰り返します。
 人混みの中で思われるのですが、何か殺気立っている人、苛立っている人がいかに多いか。そうした騒ぎ立つ心は、伝染します。悪の諸霊のように、私の魂に手を突っ込んできて、気づくと自分もそうなってしまう。そういう時、悪魔のささやき、中傷が始まります、「お前、それでも牧師か」と。
 でも、御言葉の剣を取っていれば分かるのです。「いろいろな試練に出会うときは、この上ない喜びと思いなさい。信仰が試されることで忍耐が生じると、あなたがたは知っています。あくまでも忍耐しなさい。そうすれば・・・」。
 もちろん、「私にはそんな忍耐はない」と思います。私はまだまだ完成途上の求道中。しかし御言葉が来るのです。そうだ、パウロも言っているじゃないか。「わたしは、既にそれを得たというわけではなく、既に完全な者となっているわけでもありません。何とかして捕らえようと努めているのです。自分がキリスト・イエスに捕らえられているからです」(フィリピ3:12)。
 有名なラインホールド・ニーバーの祈りなども思い出して気づきます。そうだ、この状況は、私が変えることができる状況ではない。ということは、いま神が平静さを与えてくださっている。それで私は満員電車の中でもどこでも祈れると分かります。状況に支配されずに、私は主のものとしていまこの満員電車の中にいるのだと。
 「天の父よ」と祈ると、天にいます父が今ここにおられる、ここにすでに御国が来ていると分かります。がさついてささくれ立っていた心は、聖霊のモイスチャークリームでしっとりとされるのです。
 「主の慈しみは決して絶えない。主の憐れみは決して尽きない。それは朝毎に新たになる」(哀歌3:22-23)。主の慈しみ、憐れみは全地に満ち、祝福は決して絶えることはない。なのに私たちは毎日忘れてしまう。しかし、主の憐れみは「朝毎に新たになる」のです。朝毎に新たになるのだから、毎日いただけばよいのです。どのような時にもです。これも、私たちを悪の諸霊から守る「神の武具」でしょう。
 パウロは、「主において常に喜びなさい。重ねて言います。喜びなさい」とも言いました。人生そう長くはありません。苛立ち、ひがみ、ねたみ、思い煩い、恐れ、、、そんなものに囚われている暇があったら、もったいないことです。主の慈しみ、憐れみは決して絶えず、尽きないのです。それを絶えず味わい知ることができるのです。
 

説教一覧(2018年度)

2018.4.1
死の涙の終わり
2018.4.8
見ゆる希望は希望にあらず
2018.4.15
キリストが充ち満ちる
2018.4.22
天に座す我ら
2018.4.29
神の恵みは現れる
2018.5.6
遺残は遠く、今は近い
2018.5.13
神を神として賛美する
2018.5.20
新しい人間の創造
2018.5.27
我らは神の住まい
2018.6.3
知らされた計画
2018.6.10
計り知れない富
2018.6.17
罪人を招くイエス
2018.6.24
とれない弾丸
2018.7.1
大胆に神に近づく
2018.7.8
御言葉を行う
2018.7.15
主の愛を味わう
2018.7.22
主は一人
2018.7.29
一人ひとりへの賜物
2018.8.5
成熟した人とされる
2018.8.12
新しい人を着る
2018.8.19
恵みが響き合う
2018.8.26
勝ち戦
2018.9.2
神の愛に留まる
2018.9.9
尊い神の秩序
2018.9.16
あなたは光の子
2018.9.23
霊による賛歌
2018.9.30
キリストが愛された教会
2018.10.7
結婚のミステリー
2018.10.14
裏切り者をも
2018.10.21
神の親心
2018.10.28
地上に敵無し
2018.11.4
神の国を前方に見て
2018.11.11
ここから見れば
2018.11.18
私たちの主、イエス
2018.11.25
あなた方の間に主の平和
2018.12.2
神の武具をまとう
2018.12.9
絶えず祈れ
2018.12.16
獄中の光
2018.12.23
見よ、救いのしるしを
2018.12.30
主である私が語り、行う
2019.1.6
朽ちない愛の恵み
2019.1.13
ひとつの福音
2019.1.20
我、ここに立つ
2019.1.27
あなた方もここにいる
2019.2.3
はるかな距離を超えて
2019.2.10
体に必要なもの
2019.2.17
福音は神の力
2019.2.24
福音を恥じず
2019.3.3
人間の不義と神の愛
2019.3.10
自由という転落
2019.3.17
終わりから今を見る
2019.3.24
お別れの挨拶
2019.3.31
波打つ大地に立つ