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近くにおられる神

説教要旨( 4月11日 朝礼拝)
申命記 第 4 章5~8節
ルカによる福音書 第24章13~27節
橋本いずみ

 教会は、神によって呼び集められた者の群れであり、神が共に歩んでくださる神の民です。
 「このような大いなる国民が、どこにいるだろうか」わたしたちの神への信頼と誇りをもって、モーセは神の民に告げます。こう告げる所以は「近くにおられる主を神としていること」と「掟と法を持っていること」です。
 主なる神はイスラエルの民をエジプトから導きだされ、荒れ野を旅させましたが、それは、神がイスラエルを神の民にするための御業でした。そして、神が乳と蜜の流れる約束の土地を与えてくださるのは、神の民が神と共に生きるためです。
 約束の土地に入ろうとする神の民に、神はモーセを通して掟と法を教えられます。それは、神の民に命を与えるものです。神が与えられる法と掟は、人を懲らしめ、苦しめるものではなくて、神が望む姿を示すものです。そして、神の望まれる姿へと造り変えるために、神は御力を発揮してくださいます。
 併せて読んだ新約聖書で、復活の主イエスは弟子たちに、「モーセとすべての預言者から始めて、聖書全体にわたり、ご自分について書かれていることを説明された」(27節)と言います。弟子たちに聖書を説明し、聖書全体にわたって書かれている主イエスとは、どのようなお方でしょうか。
 弟子たちは、主イエスに期待をかけていたと言います(19節)。主イエスは、力ある言葉を語り、病んでいる人々を癒し、空腹の人々を満たし、友なき者を訪ねてくださいました。このような姿を見て、弟子たちは主イエスが自由にしてくださると望みをかけていました。
 けれども、主イエスは、十字架に架けられてしまったのです。そして、そのことが起こってから三日目のこと、十字架に架けられた主イエスは、弟子たちに近寄って来られます。
 しかし、弟子たちは主イエスだということには気づきません。話題の中心であり、望みをかけていたお方が共に歩いてくださり、目の前にいるにもかかわらず、そのお方に気づかないのです。
 主イエスは、弟子たちに聖書全体にわたり、ご自分について書かれていることを説明されました。聖書には、神の語られる言葉が記されています。そして、神が語られる言葉は、主イエスについてのことです。
 主イエスは、神が与えてくださった法と掟を忠実に守って、わたしたちの罪のために十字架にお架かりくださり、わたしたちを神のものとしてくださいました。そして、神は十字架に架けられた主イエスを復活させて、わたしたちが神の民となる道を切り開いてくださいました。
 神の民には、神の語られる法と掟が与えられます。この法と掟を忠実に守ることができたのは、神から遣わされてこの世に来た神の御子、主イエスだけです。主イエスの歩みによって、神が法と掟を通して教えてくださった神の望まれる神の民の姿を知ることができます。神は、神の民として生きるわたしたちに、聖書を通して法と掟を忠実に守られた主イエスの姿を示してくださいました。
 神はわたしたちに法と掟を授けて、主イエスに倣うものとして歩むことを求め、「あなたがたは、大いなる国民である」と言ってくださいます。神は、主イエスを遣わしてくださり、わたしたちの近くに寄って来て、共に歩んでくださいます。
 わたしたちは、物分かりが悪く、心が鈍く、主イエスが傍近くにおられるにも関わらず、主イエスだと気づかないものかもしれません。けれども、確かに復活の主は、物分かりが悪く、心の鈍い弟子たちの前に、現れて、近くによって来てくださり、聖書に記されたご自分のことを教えてくださいました。
 わたしたちは神の民として集められました。主が近くにおられて共に歩んでくださることを信じて、イエスに倣うものとしてこの地上の歩みをなしていきたいと思います。
 

説教一覧(2010年度)

2010.04.04
あの方は復活された
2010.04.11
近くにおられる神
2010.04.18
偽りのない愛
2010.04.25
祝福を祈る
2010.05.02
すべての人と平和に
2010.05.09
子や孫たちにも教えなさい
2010.05.16
復讐からの解放
2010.05.23
聖霊の証印を受けて
2010.05.30
寄留者
2010.06.06
良心に従って
2010.06.13
愛は律法を全うする
2010.06.20
神の子イエス
2010.06.27
今はどんな時か
2010.07.04
主キリストを身にまとう
2010.07.11
あなたは神に出会う
2010.07.18
あなたは何者か
2010.07.25
我らは主のもの
2010.08.01
愛に従って歩む
2010.08.08
神の国は義と平和と喜び
2010.08.15
主こそ神、ほかに神はいない
2010.08.22
神のみ前における確信
2010.08.29
生ける希望
2010.09.05
忍耐と慰め
2010.09.12
逃れて、生き延びる
2010.09.19
望みの源なる神
2010.09.26
神の福音のために
2010.10.03
我らの誇り
2010.10.10
親子
2010.10.17
主が結ぶ契約
2010.10.24
主キリストの祝福を携えて
2010.10.31
過越の小羊
2010.11.07
天の財産を受け継ぐ
2010.11.14
十戒
2010.11.21
自分自身を知る
2010.11.28
平和の源なる神
2010.12.05
主にあって よろしく
2010.12.12
大いなる栄光
2010.12.19
メシアはどこに
2010.12.26
教会から教会へ
2011.01.02
善にさとく、悪には疎く
2011.01.09
栄光が唯一の神に
2011.01.16
あなたの心に留め、語り聞かせる
2011.01.23
初めに言があった
2011.01.30
味わい、見よ、主の恵み深さを
2011.02.06
光の証人
2011.02.13
試みと誘惑
2011.02.20
神によって生まれる
2011.02.27
独り子なる神
2011.03.06
主の道をまっすぐにせよとの声
2011.03.13
神の宝―選ばれた者たち
2011.03.20
この方こそ神の子
2011.03.27
何を求めているのか