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大いなる栄光

説教要旨(12月12日 朝礼拝)
申命記 第5章23~33節
ヨハネによる福音書 第1章6~18節
橋本いずみ

 「我々の神、主は大いなる栄光を示された」と言います。主なる神は、十戒(十の言葉)を語ることによって、その栄光をお示しになります。人が聞いて理解できる言葉を主なる神はお語りくださいました。イスラエルの人々は、主が何をお語りくださったかよりも、主なる神が、直接お語りくださったことに、驚き恐れています。人々は主の言葉を直接聞き、更に主の言葉を直接聞き続けることを恐れます。それは、自らを死の危険にさらすことだと思ったからです。
 主なる神は、その言葉をお語りになるときに燃え上がる火の中から、お語りになられました。火は神が現れるとき用いられるものの一つです。人々は、この火が燃えたち、威力をますならば、自分たちはその炎に呑み尽くされて死んでしまうと言うのです。主なる神は、この言い分を、「もっともなことだ」と言って聞き入れられました。ここで神は、しっかりとイスラエルの人々の言い分を聞いているのにもかかわらず、人々はモーセに向かって言い、そして、主なる神も、人々に語ることはせず、モーセに向かってだけ語られます。
 主なる神は、イスラエルの民が、主の言葉を聞いて、実行するという心を持ち続けることをお望みになって、人々の言い分を聞かれ、モーセを通して言葉を語られます。神の言葉は、彼らが幸いを得るための言葉です。幸いというときに、わたしたちは様々な幸いがあるように思います。しかし、神が語る幸いは、戒めを守ることによって与えられる幸いです。
 そのために、主なる神は、モーセに向かって戒めと法と掟をすべて語り、そのすべてをモーセは聞き、そのすべてをイスラエルに告げ、そのすべてをイスラエルは聞いて行うことができるようにしてくださいました。このようにして、人々には、神が与えてくださる土地で神の言葉を行う道が備えられたのです。
 主なる神は、モーセに戒めと掟と法のすべてを教えるにあたり、モーセだけを残して、人々は自分の天幕に帰るようにと命じます。モーセが主の言葉をすべて聞いてくるのを、自分の住まいで待っていろ、と言うようにして、天幕に帰れと命じられました。
 ところで、わたしたちは、間もなくわたしたちは、クリスマスを迎えます。クリスマスに、わたしたちの天幕に来てくださったお方がいます。それは、イエス・キリストです。イエス・キリストは、わたしたちの天幕―わたしたちの住まい―に来てくださった神の御子、神の言です。ヨハネによる福音書は、イエス・キリストを「言」と言って、主イエスの到来を告げました(14節)。
 神は、言葉を語られます。かつてのイスラエルの民は、神が語られる十の言葉を通して、神が旅路を導いてくださったこと、これからも神が共に歩んでくださる道があること、神と共に歩む者には守るべきことがあることを、知りました。彼らにとって、神の語られる十の言葉は、恵みの言葉であり、神が生命を与え、幸いを与えてくださるものでした。
 しかし、この幸いと恵みの道を歩むことができなかったのが、イスラエルに代表されるわたしたち人間—この世です。そのわたしたちに、神はもう一度恵みをお与えくださいました。それは、満ちあふれるほどの恵みであり、十戒に取って代わり、それにまさる恵みを注ぐものです。言―イエス・キリストは、恵みの上に更に恵みを与えるためにこの世に遣わされてきました。
 主イエスは、わたしたちが神を知り父に至る道を歩むために、わたしたちの住まいにおいでくださいました。父なる神は、神の言であるイエス・キリストをこの世にお送りくださって、その大いなる栄光をお示しくださいました。
 神はわたしたちが神の支配の中を生きるために、栄光を現し、神は惜しみなくその恵みを注いでくださいます。主なる神のご支配のもとで、主イエスが再びくださるときに実現する神の国を待ち焦がれつつ、クリスマスに備える日々を過ごしていきたいと思います。
 

説教一覧(2010年度)

2010.04.04
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2010.05.02
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2010.05.09
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聖霊の証印を受けて
2010.05.30
寄留者
2010.06.06
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我らは主のもの
2010.08.01
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2010.08.08
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2010.10.03
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2010.10.17
主が結ぶ契約
2010.10.24
主キリストの祝福を携えて
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2010.11.07
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2010.11.14
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2010.11.21
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2010.11.28
平和の源なる神
2010.12.05
主にあって よろしく
2010.12.12
大いなる栄光
2010.12.19
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2010.12.26
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