罪を赦す権威
説教要旨(7月15日 朝礼拝)
イザヤ書 第59章1-4節
マルコによる福音書 第2章1-12節
佐藤智子
主イエス・キリストは、罪を赦す権威を持っておられるお方であります。
今日、どうしてもイエスさまに会わなければならない人たちが、イエスさまのもとにやってきました。それは、中風にかかっている人と、その者を担架に乗せて運んで来た4人の人です。しかし、彼らは阻まれる。イエスさまとの出会いを妨げたのは、家の中を埋め尽くしている群集、そして、屋根の壁でありました。イエスさまに本当にお会いするためには、これらの妨げが取り除かれなくてはならなかったのです。イエスさまとお会いするために、彼らは屋根の壁を壊し始めます。その彼らを、助けられた父なる神さまのお姿を、私たちは行間に見つけることができます。隔ての壁を、壊されたのは、神さまだった。そのようにして、イエスさまのもとへと、父なる神さまが彼らを招かれたのではないでしょうか。
彼らは、屋根に造られた穴から、病人の寝ている床をつり下ろしました。イエスさまは、頭上をご覧になり、4人の人をご覧になり、この4人のうちに信仰を、見つけられました。妨げを取り除いて、イエスさまのもとに会いに行こうとした彼らのうちに、イエスさまは信仰を見られたのであります。つり下ろされてきた担架に横たわる人は、イエスさまの癒しの御業を必要とする人でありました。4人の信仰を見て、イエスさまはこの担架に横たわる病人に向かって、<子よ、あなたの罪は赦される>と言われました。
この罪という力は、非常に強力であり、破壊的な支配力を持っています。神さまのご支配に対して抵抗する力をもっています。担架に横たわる病人は、罪によって、神さまのご支配から奪い取られていた一人でありました。しかし、その人が今、イエスさまの前に、連れて来られたのであります。そして、イエスさまから、罪の赦しの宣言を聞かされました。<子よ、あなたの罪は赦される>
イエスさまは、罪を赦す権威を、罪の支配の中にある者にむかって、行使されるのであります。神さまの御支配から奪い取られていた者は、回復するのであります。神さまの御支配のうちに、そして病からも回復させられるのであります。
ところがここで、律法学者が数人登場します。この律法学者たちはイエスさまの言葉を、心の中で自分たちの論理に従って考えるのです。<この人は、なぜこういうことを口にするのか。神を冒涜している。神おひとりのほかに、いったいだれが、罪を赦すことができるだろうか>
その通りであります。神おひとりのほかに、罪を赦すことができる方はいません。この部分は間違ってはいない。しかし、この言葉を言われたのはイエスさまだった。この世界に、罪を赦す権威をもって来られたイエスさまが、罪の赦しの宣言をなされたのであります。罪の赦しのまことの権威者であられるイエスさまは、律法学者たちの考えを見抜き、もう一度、横たわる病人に向かって言われました。
<わたしはあなたに言う。起き上がり、床を担いで家に帰りなさい。>
神さまのご支配のもとに回復された一人の病人は、起き上がり、床を担いで歩き、人々の見ている前を出て行きました。罪の赦しが起こったのであります。
こうして罪赦された人間は、神のご支配のもとに行き始めるのであります。本当に生き始めるのであります。いつまでも、横たわったまま、死人のごとくいる必要はもはやない。
罪の赦しのまことの権威者である、私たちの救い主となられたイエスさまは、この朝、私たちに向かって言われます。
<子よ、あなたの罪は赦される>
<わたしはあなたに言う。起き上がり、床を担いで家に帰りなさい。>
説教一覧(2012年度)
2012.04.01
権威ある新しい教え
2012.04.08
ガリラヤへ
2012.04.15
手をとって起こしてくださる主
2012.04.22
神の力強い御手の下で
2012.04.29朝礼拝
祈り働かれる主
2012.04.29夕礼拝
我らの罪をも赦したまえ
2012.05.13
御心ならば
2012.05.20
主の平和
2012.05.27朝礼拝
あの時のように、今も
2012.06.10朝礼拝
天の国の鍵
2012.06.10夕礼拝
わたしを形づくるもの
2012.06.17朝礼拝
救いは、主こそにある
2012.06.17夕礼拝
天に富を積む
2012.07.08
感謝
2012.07.15
罪を赦す権威
2012.07.22
十字架の言葉
2012.07.29
罪人を招くために
2012.08.12
キリストの思いを抱いて
2012.08.19
収穫感謝
2012.08.26
なぜ怖がるのか
2012.09.02
聖霊のうめきによる偉大な助け
2012.09.09
闇の民に愛の光