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あなたは光の子

説教要旨(9月16日 朝礼拝より)
エフェソの信徒への手紙 5:6:14
牧師 藤盛勇紀

 肉体の健やかさのために「光」は重要な働きをします。パウロがここで語る光は、霊的な光、主の命である光です。だから、「あなたがたは…今は主に結ばれて光となっています」と言うのです。
 パウロはこの手紙の冒頭で、私たちはすでに天のあらゆる祝福で満たされていること、その祝福が私たちを通して恵みとしてあふれることを語りました。私たちは、主イエスが言われたように「世の光」なのです。そこで主は「あなたがたの立派な行い」とも言われましたが、これは単なる道徳ではありません。私たちは天にある輝きを持っているのです。それが私たちを通してこの世、地上に映し出されるということです。
 そのような私たちのなすべきことは、光を「受ける」ことです。私たち自身の内に「光」がないからです。しかし、自分を主に対して開くなら、光が差し込んできます。
 ヨハネ福音書の冒頭でも、「光」について語られています。「言の内に命があった。命は人間を照らす光であった。光は暗闇の中で輝いている」と。しかし、「暗闇は光を理解しなかった」。私たち自身の内に暗闇があります。様々な生活の思い煩、不安、人間関係の悩み、それは光が差し込んでいない領域です。光がないのは、自ら閉ざしているからです。主に預けることをせず、「自分でやらねば」と、自ら抱え込んで闇としてしまっているのです。
 主は繰り返し繰り返し「恐れるな」と言われますが、この世は言うのです、「一寸先は闇だ、だから今自分でできる限りのことをするだけだ」。あるいは、「どうぜ全ては皆過ぎ去る。だからせいぜい今を楽しめ」。
 あなたは、「神に祈り求めても、どうなるか分からない」と思っていないでしょうか。この世の価値観でガチガチに固められてしまった闇が居座っていないでしょうか。密かに「どうせ祈っても」と思い込んでいるとすれば、それがあなたの本心、あなたの信仰です。だからそのようになってしまう。
 イエス様は、「わたしは、…わたしの平和(平安)を与える。わたしはこれを、世が与えるように与えるのではない。心を騒がせるな。おびえるな」と言われました。
 それを知っているのに、私のこの問題は違う、関係ないんだと思ってしまう。そうした思いは、実は嫉妬、妬みから来ます。思い煩いや不安も嫉妬からです。「あの人は持っているが、私は持っていない」という思いです。もし、「私は豊かに持っている」と思っていたなら、嫉妬など生まれません。
 「持っていない」という意識が罠(わな)になります。イエス様は、持っている人はさらに与えられ、持っていない人は持っているものまで取り上げられると言われました。サタンは、「あなたは持っていない」と指摘します。しかし、「実を結ばない暗闇の業に加わらないで、むしろ、それを明るみに出しなさい」(11)。明るみに出すと、「反論(指弾)する」という言葉です。私はすでに天のあらゆる霊的な祝福で満たされている、すでに豊かで、主の平安を得ている!
 そこから、ますます豊かにあふれ出て、現されます。暗い人はますます暗くなるが、光を受けている「光の子」はますます明るくなり、恵みがあふれることを経験します(1:8)。「光が」私たちに訪れ、照らし、導くのですから(ルカ1:78)、私たちはただ受ければよい、光を見ればよいのです。
 イエス様も、「光のあるうちに歩きなさい」と言われました。光は外から来ますが、主に結ばれた者は、自分の内にも光が住んでくださっています。
 肉の目が見る光は、ある限られた周波数の電磁波です。命の光を見るのは、私たちが霊の動きに従い(同調し)、自分を開くときです。すると、どんな状況であろうと、そこに光があり、私たちはただ受け、そこに人知を超えた平安と力があるのです。
 
 

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